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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,911 字 · 353 頁
思想的にも、一方は秀吉の理想に賛し、一方は家康の名分に共鳴し、同じ一族のうちでも、血みどろな葛藤を起して、骨肉がわかれて相闘うの悲劇をかもしている。
戦の惨は、戦場の血しおより、事前と事後の、こういう生々しい人間苦に、より以上深刻である。――が、そんな悩みは、ものともせず、人間の大多数が、混乱と自失に墜ちているまに、時こそ来れと、平常の社会状態では遂げ得ない望みをとげようとする悪侍の一部もたち交じって、経済も道義も秩序もみだれ始め、戦の外に、戦以上の生活苦やら闘争も渦まき始める。
秀吉は、よくその苦味を知っている。彼が、尾張中村のあばら屋に育ったときから多年の放浪時代の世がすでにそうだったから。――以来、信長の出現により、一時はなお社会苦は苛烈だったが、半面に、庶民生活の明るみと歓びも伴ってきた。この人によって、真の平和がくるかとおもわれた。その中道にして、本能寺の変である。秀吉は、信長の死によって頓挫したそれを、おれがやると、誓い出した。ここ二年余にわたる不眠不休の努力は、それへの一歩まえまで、近づいてきた。――いまは彼の、わが望みならんとするまさに最終の段階に近い。