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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁
良致氏はお気の毒な方で、やったり、とったりされた人だった。ずっと前に他家へゆかれ、それから一条家の令嬢の婿金として、養われていたが帰されて――やっぱりこれも例をひいた方がよいから、山中氏の前のつづきを拝借すると、
――かつて一条公爵家の御養子として、暫く同家に生活していられました。それは、元来一条家よりの懇ろなお望みがありまして、御結縁になったのでした。しかし、家風の上から、その後、男爵は再び九条家へ、お復りになったのでした。(前掲一七四頁)
なぜ、この山中氏の著書からばかり引例にするかといえば、材料の蒐集に、『婦人倶楽部』の多くの読者と、武子さんの身近かな人々からも指導と協力を得ているといい、筆者はもうすにおよばず、発行が、野間清治氏の雄弁会出版部であり、およそ間違いのないものであること、著者の序に、初校を終る机のそばに、武子さんが、近く来りていますように感じつつ、合掌、と書かれた敬虔な著であるので、信頼して読ませて頂いたからだ。その行間からわたしは何を見たか――
籌子夫人のこのお婿さん工作も、愛弟だったときけば頷けるし、実家の嫂は東本願寺からきた人で、例の御連枝と縁のある方であり、それらの張合もないとはいえまいが、良致氏は、籌子夫人の手許へ引きとられていたというものがあるから、武子さんとも顔を合せて