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にほんイデオロギーろん
日本イデオロギー論
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《日本イデオロギー論(にほんイデオロギーろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 頁
無論ここで文明と云いアウフクレールングというのは、社会の経済的又技術的な機構の発達のことであるよりも、寧ろ主に社会に於ける文化的観念の発達を意味するのである。例えばドイツはイギリス特に又フランスに較べてこの文明乃至啓蒙が著しく後れていた。一種の啓蒙思潮の代表者でもあるカントは処が、フリートリヒ大王下のプロイセンを目して、啓蒙された時代ではないが啓蒙されつつある時代だと呼んでいる。イギリス・フランスに較べて、生産様式と文化意識とが著しく後れていた当時のドイツにしてからが、すでに「啓蒙されつつある」時代だったというのだが、このことはよく考えて見ると、この啓蒙されるべきものが当時の封建的残存機構から全く自然生的に生じた闇であり妖雲であったことを意味しなければなるまい。日本がプロイセンの憲法に則って憲法を制定したと云われる(今日迄の多くの権威ある法学者や歴史家の間ではこの点科学的常識になっている)のも亦、日本の極めて長い封建制から自然生的に生じた観念的残存物に対するアウフクレールングとしてだったと考えられる。
之は大体、歴史上に於ける所謂「啓蒙」の系列にぞくするもののことだが、処が今日必要な啓蒙、従って今日の意味での啓蒙は、少くとも一つの根本的な条件に就いて、之とは全く違った新しい種類のものだ、という点を注目し