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にほんイデオロギーろん
日本イデオロギー論
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《日本イデオロギー論(にほんイデオロギーろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 頁
一五 「文学的自由主義」の特質
不安という妙な範疇も、社会的不安や根拠ある不安から、シェストーフ的無根の不安などに徒されて了う。之が文学主義的範疇のトリックで、今日形而上学は、こうした範疇に最後の逃避行を企てる他に道が断たれたことをハッキリ自覚している。いやでも夫が文学主義に左袒しなければならない所以だ。
現在の文芸評論の賑々しさやその哲学らしいものとの合体は、全く、「文学」が哲学を(従って又文学を)僣奪しようと企てる所の、可なり露骨な反動行為であることを、読者は怠らず注意しなくてはならぬと私は考える。而もこの企てが、他ならぬ文学的自由主義という意識の下に行われたのであった。
一五 「文学的自由主義」の特質
――「自由主義者」の進歩性と反動性
自由主義を文字の上から解釈することは、最も馬鹿げた解釈であるが、自由主義が流行している今日では、之が案外、多くの自由主義者達のひそかな拠り処であるように見える。というのは、自由主義とは取りも直さず自由を主義とすることであって、従って不自由主義の反対なのだから、何れにしても悪かろう筈のないものだ、という考え方が夫である。
勿論誰もこんな他愛のない理由を、有態に理由に挙げて物を云っている者はいないが、つきつめると、それ以外の根拠のない場合が、可なり多いのではないかと思う。