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にほんイデオロギーろん
日本イデオロギー論
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《日本イデオロギー論(にほんイデオロギーろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 頁
その結果今や、観念論の第三の積極的規定を掴み出す必要に迫られる。この第三の積極的規定を取り出して見ると、之によって、観念論の例の第二の規定(解釈哲学として)が、第一の規定(形而上学として)さえもが、却って明らかに定着されるように思われるのである。
まず手近かにある一つの現象を注目しよう。この一年あまり以来、マルクス主義の陣営は遽かに後退したと云われている。それがどういう意味であるかを、私は必ずしも理解していないのであるが、とに角一頃至る処に充ち充ちていたマルクス主義のファンや好意ある野次馬が、世間から最近著しく整理されたのは事実だ。そして特に文学の世界に於て、この現象が人目を惹くように見えることは、今の話の筋から云って、興味あることなのである。今ではマルクス主義に立つ文化団体は残らず解散して了ったが、そして之は必ずしもマルクス主義的文化運動が消えたことを意味し得ないのは云わなくても判っていることだが、特に文学の世界に於て、文化団体の解散が著しい荒波を立てたことを誰しも知っているし又現に見ているだろう。左翼の文学運動は今ではいくつかの編集中枢に分散し、時によっては左翼文学運動とは何の意識的な連りさえもない文学分子と、混淆している。