輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
線上閱讀蘭 郁二郎《火星の魔術師(かせいのまじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,120 字 · 302 頁
「いや、由っちゃん、由っちゃん、そういう訳じゃないんだよ……ね、ね……」
黒吉は、自分でも、その酒くさい息を持てあましながら、由子の顫える肩を、しっかりと抱き寄せると、
「由っちゃん、変に思わないでおくれよ、俺は、俺は久しぶりで葉ちゃんに逢った、っていっただけじゃないか……ね、それだけなんだよ――」
その時、みしみし階段が軋むと、間の悪いことに葉子がひょっこり上って来た。
「あら――」
葉子は、上り口の手すりを握んだ儘、一目でこの狭い部屋の中の様子を見極めると、
「黒ちゃん、おたのしみね、……ほほほ、一人だよ、なんて可笑しくって……。由っちゃん、お久しぶり……せいぜいその不具の化物を可愛がってやってくださいね、あたしもね、退屈だから、一寸揶揄ってやろうと思って来たんだけど、先約があっちゃねエ……ごゆっくり――さよなら――」
「あ、葉ちゃん!」
ぱっ、と由子を離した黒吉は、何か
(しまった――)
と思いながら、必死になって、
「葉ちゃん、葉ちゃん、誤解しないでおくれよ、何んでもないんだよ、恰度、恰度いま由っちゃんが遊びに来たんで、その、その葉ちゃんとこへ行ってみようか、っていっていたんだよ……それだけだよ……」