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わたくしのあゆんだみち

私の歩んだ道

蜷川 新

線上閱讀蜷川 新《私の歩んだ道(わたくしのあゆんだみち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,458 字 · 24 頁

青空文庫

そこで、大蔵省も辞職した。目賀田氏は、私をその邸にまねいて、「思い止まれ。」といわれたが、私は固くことわった。明治三十五年のことである。

私は、みずから読売新聞社に行って、臨時の記者に採用された。私は大いに政治を論じた。岳南のペンネームで書いたが、自由で、はなはだ愉快であった。やがて渡辺国武子爵は、伊藤内閣の大蔵大臣を辞し、あらたに新聞を発行されることになった。私は渡辺子爵をかねて知っていた。そこで、その新聞に転ずることになった。電報新聞といった。私は社に宿泊して、新聞事業に身を投じた。その当時、私は大学院の学生に席をおき、将来は自由な学者になることを志していた。明治三十六年のことである。

その当時は、日露間には不穏の事態があらわれ、有名な七博士は、率先して開戦を叫んだ。私もその一味の応援者であった。私は開戦を論じていた。明治三十七年の二月に、開戦の宣言は発せられた。同時に、旅順港の襲撃がおこなわれた。私は、予備の陸軍少尉であったところから、ただちに召集されて、軍隊の人間となった。私は第一軍司令部付の国際法顧問を命ぜられて、黒木司令官らとともに、宇品から出発し、大同江をさかのぼり、平壌についた。