輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

そうもくちゅうぎょ

艸木虫魚

薄田 泣菫

線上閱讀薄田 泣菫《艸木虫魚(そうもくちゅうぎょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,254 字 · 226 頁

青空文庫

不昧はこの肩衝の茶入に、円悟の墨蹟をとりあわせて、家宝第一ということにした。そして参勤交代の折には、それを笈に収めて輿側を歩かせたものだ。その愛撫の大袈裟なのに驚いたある人が、試しに訊いたことがあった。

「そんなに御大切な品を、もしか将軍家が御所望になりました場合には……」

不昧は即座に答えた。

「その代りには、領土一箇国を拝領いたしたいもので。」

あるとき、某の老中がその茶入の一見を懇望したことがあった。不昧は承知して、早速その老中を江戸屋敷に招いた。座が定ると、不昧は自分の手で笈の蓋を開き、幾重にもなった革袋や箱包をほどいた。中から取出されたのは、胴に珠のような潤いをもった肩衝の茶入だった。不昧はそれを若狭盆に載せて、ずっと客の前に押し進めた。

老中は手に取りあげて、ほれぼれと茶入に見入った。口の捻り、肩の張り、胴から裾へかけての円み、畳附のしずかさ。どこに一つの非の打ちどころもない、すばらしい出来だった。老中はそれをそっと盆の上に返しながら、いかにも感に堪えたようにいった。

「まったく天下一と拝見いたしました。」

その言葉が終るか、終らないかするうちに、不昧は早口に、