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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

線上閱讀海野 十三《超人間X号(ちょうにんげんエックスごう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 頁

青空文庫

ただし、それは学問の上のことだけであって、友人と友人とのあいだがらは、たいへんおだやかであり、たがいの人格も信用していた。だから、谷博士は、自分の視力がやられ、神経もいたんでいるとさとると、みずからすすんで大宮山博士が院長になって経営しているこの柿ガ岡病院にはいる決心をしたのであった。知らない人は、ふしぎなことに思ったにちがいない。

院長たちの手あつい治療によって、谷博士はだんだん快方に向かった。

しかしよくなるのは神経病の方だけであって、視力の方はまだ一向はっきりしなかった。博士はいつも繃帯でもって、両の目をぐるぐる巻いていた。

「ぼくの目は、もうだめかね」

谷博士がたずねたことがある。

「いや、だめだとはきまっておらん。今の療法をもうすこしつづけたい。それが、効果がないとはっきり分かったら、また別の方法でやってみる」

「いよいよ目がだめなら、ぼくは人工眼をいれてみるつもりだ」

「人工眼か? 君の発明したものだね。まあ、それはずっと後のことにしてくれ。君はぼくの病院の患者なんだから、よけいな気をつかわないで、ぼくたちに治療をまかしておいてくれるといい」