輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 頁
にしても、ある程度までは混乱を防ぎ得るのである。この装置は三十三個の鐘群も同様で、ベルリンのパロヒアル寺院を模本としたものであるが、パロヒアル寺院では、反対にそれが、礼拝堂の内部に向けて作られてある。こうして、法水の調査は円華窓附近にも及んだけれど、わずかに知ったのは、その外側を、尖塔に上る鉄梯子が過っているという一事のみであった。
やがて、法水は私服に命じて戸外に立たしめ、自分は種々と工夫を凝らして鍵盤を押し、何より根本の疑義であるところの倍音を証明しようとしたが、その実験はついに空しく終ってしまった。結局、鐘鳴器で奏し得る音階が、二オクターヴにすぎないということと、それに、先刻聴いた倍音というのが、その上の音階であるという――二つが明らかにされたのみであった。かつて聖アレキセイ寺院の鐘声にも、これとよく似た妖怪的な現象が現われたことがあった。けれども、それは単なる機械学的な問題で、つまり振り鐘の順序にすぎなかったのである。ところが、今度はそれと異なって、第一に三十あまりの音階を決定している――換言すれば、物質構成の大法則であるところの鐘の質量に、そもそも根本の疑惑がこもっているのだ。