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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 頁
しかし、その間に法水の推考が成長していって、ついに洋琴線のように張りきってしまった。そして、目前の惨事に、最初から現われてきた事象を整理して、その曲線に、一本の切線を引こうと試みた。――第一、演奏者中にレヴェズがいないという事だ。(しかし、聴衆の中にも彼の姿は見出されなかったのである)。それから、暗黒と同時にこの室が密閉されたという事――つまり、事件の発生前後の状況が、ともに同一であるという事だった。ところが、最後の開閉器を捻ったのは誰か――云い換えれば、最も重要な帰結点であるところの消燈の件りになると、それに端なくも、法水は一道の光明を認め得たのであった。と云うのは、装飾灯が消える直前に、津多子が入口の扉に現われて、扉際にある開閉器の脇を通ってから、その側の端に近い、最前列の椅子を占めたからである。
事実それに、法水が発見した最初の座標があったのだ。それは、アベルスの「犯罪形態学」の中に挙げられている詭計の一つで、蓋附き開閉器に電障を起させるために、氷の稜片を利用するという方法である。つまり、把手に続いている絶縁物に稜片の先を挾んで置くので、把手を捻ると、接触板が微かに触れる程度で点燈される。