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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《あさひの鎧(あさひのよろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 頁
とまたの朱が打たれた。
「三ツ、四ツ、五ツ、六ツ!」
その声をことごとく裏書きして、三ツ、四ツ、五ツ、六ツと、順序ただしく一列縦隊に、松明らしい火の光が、密林の闇にともされた。
十、二十、三十、四十と、火の光は見る見る数を増し、それが一列縦隊となり、東南の方へ動き出した。
野武士や非人や盗賊の群れは、驚きの声をあげた。
「こりゃ不思議だ!」
「どうしたのだ!」
すると右衛門が笑って叫んだ。
「術よ! ハッハッハッ、何が不思議! ……我らの姫君飛天夜叉様の、術よ術よ何が不思議!」
この時密林の一所から、ドッと大勢の喊声が起こり、数百の騎馬武者が駈けて行くらしい、蹄の音や鎧胄の、触れあいせめぎ合う音が聞こえた。
桂子は雀躍りしてまた叫んだ。
「六波羅勢が到着したわ! あの火の光にまどわされて、はたして向こうへ追って行くわ! ……飛天夜叉の一団が伍を調え、松明の光に道を照らし、遁がれ出るものと思ったらしい! ……それが妾のつけめだったのさ! ……いやいや六波羅勢ばかりでなく、鬼火の姥の眷族どもも、それに味方して闘っていた、この大藪地の住人どもも、妾たちの一団が逃げるものと思い、向こうへ追っかけて行くだろう! ……それが妾のつけめだったのさ! ……さあこの隙に千寿様朱丸様、早々と出立なさりませ! ……間道づたいに五人の