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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《あさひの鎧(あさひのよろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 頁

青空文庫

と小次郎は思った。

(こんなオトッツァンに抱き縮められるのは厭さ。……これが可愛らしい浮藻だったらなあ)

「首捻じ切るぞオ――ッ」

と猛然と、右衛門は小次郎へ躍りかかった。

一閃!

「わッ」

見よ、小次郎は、はじめて抜いた長目の太刀を、延び延びと構えて前へ差しつけ、その先で右衛門が海老のようにノケゾリ、まさに倒れようとしているではないか。

「右衛門や」

と小次郎は云った。

「わしはちょっとでもお前の体へなんか、太刀をさわらせやアしないじゃアないか。びっくりするにはあたらないよ」

そう、小次郎はただ太刀を抜いて、抱きつかれまいとして防いだままであった。

が、太刀の抜き方が、鋭くて素早くて機先を制していたので、右衛門ほどの豪勇も驚き、海老のように体を曲げたのであった。

「ウ、ウ、ウ、ウ!」

と右衛門は唸った。

重ね重ねの自分の醜態に、恥じ怒り、悲しくさえなり、口が利けなくなったのである。

しかし次の瞬間には、鉞の方へ飛んで行っていた。

柄をひっ掴むとグ――ッと振り上げ、

「今度こそ遁がさぬ、乳臭児めが――ッ」

振り返って躍りかかった。

「や※(感嘆符疑問符、1-8-78)」