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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《あさひの鎧(あさひのよろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 頁

青空文庫

また宮家の御口から、非難の御咳がほとばしり出られた。

「二つながらお許しない際には、勿体なけれどお供の方々に、矢少々、矢少々……」

「うむ、手向かうと申すのか」

「余儀ない次第にござりまする」

使者の武士はこう云って、肩や膝を小さく固めた。

堂内は、しばらく寂然となった。

と、四条隆貞が、

「お使者大儀」

と、声をかけた。

「とかくの返辞いたすまで、しばらく堂外にてお待ちくだされ」

「は」

と、使者の武士は一礼したが、やがて堂から外へ出た。

後は堂内は尚しばらく、寂然として静まっていた。

でも、とうとう赤松則祐が云った。

「危きを見て命を致す! 臣の道にござりまする。紀信は詐わって敵に降り、魏豹はとどまって城を守りました、いずれも主公の命に代わり、名を後世に残しましたもの。……とてもかくても芋ヶ瀬の荘司が心に、和解の情涌きまして、この地を通すことでござりますならば、私彼の手に渡り……」

「いやいや」

と、この時平賀三郎が、烈しい声で遮った。

「その儀無用かと存ぜられまする。……と申しまするは我ら九人は、この日頃宮家に扈従し参らせ影の形に添うごとく、艱難辛苦仕りました。