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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁

青空文庫

ファッショ化過程に於ける人間性の剥奪からの人間の恢復は、だから現在の日本では民衆の社会生活の原理としてのコンムニスムスの如きものとはならずに、特にひたすらなヒューマニズムとなる理由がある。之はソヴェートに於けるプロレタリア・ヒューマニズムというものとも異るし、ジイド風のコンミュニズム=ヒューマニズムとも別なものだ。このヒューマニズムは文化運動の課題ではあるが、それ故に社会運動の課題ではない、ということになっている。――でここに、ヒューマニズム提唱者の主観的意図(尤もその意図が自分自身にハッキリしているなら問題はもっと簡単だがどうもそうではないらしい)を離れても、なお且つ、客観的に、現代日本に於けるヒューマニズムの制限があるのだ。制限は二つである、ジイド風のものにまでも行き得ないということと、ましてジイド風のものを越え得ないということと。

だから仮にプロレタリアの人間的解放も亦ヒューマニズムだと云うにしても、それを以て直ちに現代日本の「ヒューマニズム」を律することは出来ない。と云うのは、プロレタリアの人間的解放の体系が何故今日、ヒューマニズムという名で呼ばれねばならぬかが、遂に説明出来ないということにもなるのだからだ(古在由重氏の理論の最後の弱点はここだ)。