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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁

青空文庫

の仕方をば、何か当然なことのように行なわせたということに、変りはない。之が日本の文武半官僚政府の、言論文化に就いての社会常識なのである。この官僚的常識は官僚の秘密主義とか官僚の独善主義とか、呼ばれて、今まで問題にされて来たし、又現在大いに問題にされているが、併しこの官僚常識が有っている処の、文化統制上に及ぼす根本的影響や制約との関係については、あまり注目されていない。それというのも、官僚のこの秘密主義や独善主義を攻撃する直接の勢力が、野党政治家やブルジョアジーや又新聞の類なのだが、この連中は文化問題については何等の見識を持っていない場合の方が多いので、日本に於けるこの官僚主義が如何に日本に於ける文化統制の前提となり地盤となっているかを、認識出来ないのだ。官僚の独善主義には反対するが、日本流の文化統制には大賛成だというのが、この連中の頭のタイプをなすのだ。

日本の文武官僚の所謂秘密主義は、云うまでもなく日本のデモクラシーの未発達と不具とを意味する。日本のブルジョア社会では本当の意味に於ける民衆(プープル)も市民(シトワイヤン)もない。民衆の総意というものもだから元来存在しないのである。