輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ちゅうごくかいきしょうせつしゅう

中国怪奇小説集

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《中国怪奇小説集(ちゅうごくかいきしょうせつしゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 179,458 字 · 363 頁

青空文庫

そこで、寄は一口のよい剣と一匹の蛇喰い犬とを用意して、いよいよ生贄にささげられた。

大蛇の穴の前には古い廟があるので、寄は剣をふところにして廟のなかに坐っていた。蛇を喰う犬はそのそばに控えていた。彼女はあらかじめ数石の米を炊いで、それに蜜をかけて穴の口に供えて置くと、蛇はその匂いをかぎ付けて大きい頭を出した。その眼は二尺の鏡の如くであった。蛇はまずその米を喰いはじめたのを見すまして、寄はかの犬を嗾しかけると、犬はまっさきに飛びかかって蛇を噛んだ。彼女もそのあとから剣をふるって蛇を斬った。

さすがの大蛇も犬に噛まれ、剣に傷つけられて、数カ所の痛手に堪まり得ず、穴から這い出して蜿打ちまわって死んだ。穴へはいってあらためると、奥には九人の少女の髑髏が転がっていた。

「お前さん達は弱いから、おめおめと蛇の生贄になってしまったのだ。可哀そうに……」と、彼女は言った。

越の王はそれを聞いて、寄を聘して夫人とした。その父は将楽県の県令に挙げられ、母や姉たちにも褒美を賜わった。その以来、この地方に妖蛇の患いは絶えて、少女が蛇退治の顛末を伝えた歌謡だけが今も残っている。