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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう

中国怪奇小説集

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《中国怪奇小説集(ちゅうごくかいきしょうせつしゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 179,458 字 · 363 頁

青空文庫

酒宴が果てて客がみな帰り去った後、夜が更けてからかの狐が忍んで来た。

「今夜は危なかった。もう少しでひどい目に逢うところであった」と、狐はささやいた。

「どうしたのです」と、女は訊いた。

「おまえの家の堂上に神鷹がかけてある。あの鷹がおれの姿をみると急に羽ばたきをして、今にも飛びかかって来そうな勢いであったが、幸いに鷹の頸には鉄の綱が付いているので、飛ぶことが出来なかったのだ」

女は夜があけてからその話をすると、家内の者どもも不思議に思った。

「世には名画の奇特ということがないとは言えない。それでは、試しにその鷹の頸に付いている綱を焼き切ってみようではないか」

評議一決して、その通りに綱を切って置くと、その夜は狐が姿をみせなかった。翌る朝になって、その死骸が座敷の前に発見された。かれは霊ある鷹の爪に撃ち殺されたのであった。

その後、張の家は火災に逢って全焼したが、その燃え盛る火焔のなかから、一羽の鷹の飛び去るのを見た者があるという。

無頭鬼

張献忠はかの李自成と相列んで、明朝の末期における有名の叛賊である。

彼が蜀の成都に拠って叛乱を起したときに、蜀王の府をもってわが居城としていたが、それは数百年来の古い建物であって、人と鬼とが雑居のすがたであった。