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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第六巻(「もくせい」ごうのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 頁

青空文庫

そうすると、あたかも、神鳴の来るのが、いつでも前から分るような気になる。これならば話は簡単であり、かつこういう場合が、かなり多いのであろうと思われる。

もっともこの話には、ちょっと誤魔化しがあるともいえるので、厳密にいうと、百発百中の場合でも、やはり予言は確からしさの問題である。唯その確からしさの程度が、非常に高いだけのことである。こういう抗議が、理論的な学者からは出ることであろう。しかし吉右衛門が神鳴を怖がる話の中で、真理とは何ぞやという議論をするのは、少し場ちがいである。それでこの問題には、これ以上深入りしないことにしよう。

それで百発八十中、あるいは六十中くらいの神鳴予言者の方は、雷雲発生に適した気象条件を感ずる、あるいは記憶によって思い出すのであろうということにして、御免を蒙らせてもらうことにしよう。ところが吉右衛門などの場合は、あの記事を読むと、それがどうも九十五中くらいのように思われる。そういう人の場合でも、やはり未来を直接に感ずるということは、どうしても考えられないので、これは、一般気象条件などよりも、もっと直接に雷と結びついている要素を感ずるものと考えるより外に道がない。