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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁
『万葉集』の歌は貴い芸術であるが、しかし天平文化の一部を示すものであって、全部を示すものではない。われわれは仏教芸術においてもまた天平時代の人の心を読み得るのである。
そこで考えられるのは天平の尼僧の生活である。彼らの内生もまた相当の深味を持っていたのではなかろうか。
当時の仏教が国民の内生と深いかかわりを持たなかったことを『万葉集』の証拠によって主張するのは、右に説いたごとく一面的な見方にすぎない。また日本人は楽天的であるゆえに厭世観を根柢とする仏教を咀嚼し得るはずはなかったという主張も、奈良の六宗に対しては通用するとは思えない。あの芸術的・哲学的な宗教へ近づく道は、厭世観のみではないからである。また宗教として人間苦の体験が必須の条件であるというならば、饑饉と疫病との頻発する当時の生活には、人生の惨苦は欠けていないと答えることができる。
行基の起こした宗教運動に対しては当時の官権は同情を持たなかった。「小僧行基及びその徒弟等、街衢にて妄りに罪禍を説き、朋党を構えて指臂を焚剥せしめ、諸家を歴訪仮説して強いて余物を乞い、聖道を詐称し百姓を妖惑する。