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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁
二十三
ことにわたくしが驚いたのは屋根を仰ぎながら軒下を歩いた時であった。各層の速度が実に著しく違う。あたかも塔が舞踏しつつ回転するように見える。その時にわたくしは思わずつぶやいた、このような動的な美しさは軒の出の少ない西洋建築には見られないであろう。
二十三
金堂壁画――金堂壁画とアジャンター壁画――インド風の減退――日本人の痕跡――大壁小壁――金堂壇上――橘夫人の廚子――綱封蔵
金堂へは東の入り口からはいることになっている。わたくしたちはそこへ歩みいるとまず本尊の前へ出ようとして左へ折れた。
薬師三尊の横へ来たときわたくしは何気なしに西の方を見やった。そうして愕然として佇立した。一列に並んでいる古い銅像と黒い柱との間に、西壁の阿弥陀が明るく浮き出して、手までもハッキリと見えている。堂の東端からあの遠い距離にある阿弥陀が、このようにハッキリ見えようとは、かつて予期していなかった。またこれだけの距離を置いて見たときにあの画の彫刻的な美しさが鮮やかに浮きあがって来ようとは、一層予期しないところであった。
本尊の釈迦やその左右の彫刻には目もくれずにわたくしたちは阿弥陀浄土へ急いだ。