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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
線上閱讀海野 十三《四次元漂流(よじげんひょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 頁
万一それが当っていたら、あのどさくさまぎれに研究室にしのび入り、雪子学士の研究ノート八冊をうばい窓から逃げだした人物こそ、この怪老人に違いないという結論になるはずだった。
そんなことを考えながら、道夫は堤の上をぶらぶら歩いていた。そのとき彼が、ふと堤の下から一条の煙があがっているのに目をとめ、その煙をつたわって何気なく、その煙の源を見ると、一人の男が焚火をして、何か物を煮ているのだった。道夫は、いきなり堤下へ飛び下りた。
「おじいさん。しばらくだったね」
相手は、ぎょっとして道夫の顔を仰いだ。道夫はそのとき老人が髯面に色眼鏡をかけているのを見て取った。だがその色眼鏡は、かねて見覚えのあるものとは違い、枠の細いものであることに気がついた。さてはと道夫の胸はおどった。
老人はつと立って、例の不恰好な厚着をした身体をぶるんとふるわせると、物もいわずに逃げだした。
「話があるんだ。待ちなさい。おじいさん」
道夫は後から追いかけた。が老人の足は意外に速く、道夫の方は堤の雑草に足を取られそうで、気が気ではなかった。そのうちに道夫はあっと声をあげた。思いがけなく穴ぼこに落ちこんだのである。