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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
線上閱讀海野 十三《四次元漂流(よじげんひょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 頁
怪紳士
その穴は意外に深く、彼は落ち込む途中でいやというほど頭を打った。どこかで老人のあざけり笑うらしい声が聞えた。と、道夫は気が遠くなってしまった。
怪紳士
道夫は、ふっと悪夢から目ざめた。
いじ悪い数頭の犬にとりかこまれて、自分はあっちへ引張られ、こっちへおわれて、はてしない乱闘をつづけているうちに、ふとこの悪夢がさめたのだった。全身におぼえるけだるさ、そしてずきんずきんと頭のしんが痛む。
「おお、気がついたようだよ。道夫君、元気をだしたまえ。そしてまずこれをのむのだ。気持がよくなるよ」
しっかりした男の声だ。道夫は、まだ夢心地で声のする方へ、ものうい眼を向けた。
(川北先生かしらん)
と思ったが、道夫の目にうつった声の主の姿は、川北先生ではなかった。先生よりはだいぶん年上の人で、こい緑色の背広を着た面長の背の高い紳士だった。その紳士は、左手を道夫の背中に入れて長椅子から抱きおこし、そして右手にコップをもって道夫の口へ近づけた。
道夫はひじょうにのどがかわいていたので、いわれるままにそのコップから、中の液体をのんだ。甘ずっぱい、そしてさわやかな、刺戟のあるすばらしい飲料だった。