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よじげんひょうりゅう

四次元漂流

海野 十三

線上閱讀海野 十三《四次元漂流(よじげんひょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 頁

青空文庫

これはいけないと思って叫ぼうとしたが、果して声がでたかどうか疑問である。

道夫の気がつかないことが、それから後のその洋間においておこなわれた。怪紳士が呼鈴を押すと、二人の男が戸口から入ってきた。そして眠りこけている道夫の頭の方と足の方を持って、室外へ搬びだしてしまった。

後には怪紳士ひとりが残ったが、腕時計をちょっと見て何か考えていた。が、すぐ決心がついたと見え、紫色のカーテンとは反対の側の小さい扉をあけて、その奥に消えた。

紳士はすぐ洋間へ引返してきた。そのとき彼は、薄い鼠色のコートを着、頭には同じ色の形のよい中折帽子をのせていた。部屋のまん中で立停ると、上着の内ポケットへ手を入れ、何物かを引きだしたと思ったらそれは一挺のピストルで二つに折って、中の弾丸の様子を調べた。調べ終ると、ピストルを元のように直して内ポケットにしまった。それから彼は部屋をでていった。扉の鍵のまわる音がした。やがて彼の足音が、廊下を遠ざかっていった。そしてあたりは静かになった。

玄関の方へ下りていったこの怪紳士の知らない或る出来事が、このかぎのかかった静かな部屋の中でおこなわれた。