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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
線上閱讀島崎 藤村《夜明け前(よあけまえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 205,629 字 · 408 頁
そこが福島の城下町であった。
「いよいよ御関所ですかい。」
佐吉は改まった顔つきで、主人らの後ろから声をかけた。
福島の関所は木曾街道中の関門と言われて、大手橋の向こうに正門を構えた山村氏の代官屋敷からは、河一つ隔てた町はずれのところにある。「出女、入り鉄砲」と言った昔は、西よりする鉄砲の輸入と、東よりする女の通行をそこで取り締まった。ことに女の旅は厳重をきわめたもので、髪の長いものはもとより、そうでないものも尼、比丘尼、髪切、少女などと通行者の風俗を区別し、乳まで探って真偽を確かめたほどの時代だ。これは江戸を中心とする参覲交代の制度を語り、一面にはまた婦人の位置のいかなるものであるかを語っていた。通り手形を所持する普通の旅行者にとって、なんのはばかるところはない。それでもいよいよ関所にかかるとなると、その手前から笠や頭巾を脱ぎ、思わず襟を正したものであるという。
福島では、半蔵らは関所に近く住む植松菖助の家を訪ねた。父吉左衛門からの依頼で、半蔵はその人に手紙を届けるはずであったからで。菖助は名古屋藩の方に聞こえた宮谷家から後妻を迎えている人で、関所を預かる主な給人であり、砲術の指南役であり、福島でも指折りの武士の一人であった。