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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 頁
「そうだ。たれがよいか」
阿部、内藤、松平の人々は座を見まわして、
「やはり、井伊どのが、よくあるまいか。平八郎どのも、ご一しょに」
「よし、申して来よう」
本多平八郎と井伊兵部のふたりが、代表となって、そこを出たときである。
「長島の信雄卿から、ふたりのお使者が、ただ今、お表の大書院へ通られました」
と、かれらの部下が、わざわざここへ知らせて来た。
「なに。長島の使者が、やって来たと?」
これがまた、人々の憤懣を、さらに沸騰させた。
「どんな面をさげて――」
「のめのめと」
と、罵りやまない。
しかし、大書院へ通されたとあれば、すでに使者を引いて、家康が面接しているものと思われるし、かたがたその主君の意志も表明されるであろうと、人々は、なだめ合って、その結果を待つことにしていた。
信雄の使者は――信雄の叔父、織田越中守信照と、生駒八右衛門のふたりだった。
信雄の意中はともかく、こう二人は、さすがに、使いとして、徳川家へ臨むのも、気まりが悪そうに、大書院の席に、ひどく萎縮して、控えていた。
やがて、家康は、小姓だけをつれて――具足なしの平服で、さっさと、気がるにあらわれた。