輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 頁

青空文庫

何で今さら――といわぬばかりな顔して、

「いかに光秀なればとて、自身の老母を質として、この城内へあずけておきながら、この秀治に危害を加えるはずはあるまい。安心せい」

と、笑って出かけた。

いうまでもなく和睦のための会見だ。服装もつとめて平和的に装うが礼儀である。しかし万一を慮かって、供には屈強な士ばかりを選りすぐって連れて行った。騎馬、徒歩、総体八十余名という人数。かなり物々しくはあった。

列は、本目の西蔵院につく。

住持以下出迎える。

山門に駒をつないで、右衛門大夫秀治は、院内へ通った。

時刻をたがえず、明智光秀の側でも、すでに来ている。大書院二間を抜いて、西の間に城方の波多野主従、東の間に寄手方の光秀とその侍将たちが、おごそかに居並んでいた。

きのうまで、城壁と濠をへだてて、矢弾を交わして来た敵味方が、いま閾一すじを間において、こう対坐したのである。

「…………」

らんらんとした眼と眼が、いずれも卑下なく、相手方の顔やすがたを見つめ合った。瞬間は、やはりどうにもならない。味方敵方の意識に圧しられて、顔のすじも肩の骨も、硬ばりきったままだった。

しかし西蔵院や大善院の住持が出て、きょうのよろこびを述べ、この長い籠城と猛攻の根くらべが、平和裡におさまって、波多野氏の旧領も安堵となれば、領民もどれほどありがたく