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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 頁
そんな関係もあるところからすすんで、
「身にかえても」
と、その衝にあたることをひきうけた。
勅命を奏請して、まず、
「事なきように」
と、本願寺側を諭した。
けれど十一年のあいだ、全門徒の血と信仰をもって、信長に抗し、ここに拠って来た本願寺としては、いまいかに恃む味方を諸所に失ったからといって、
「では」
と、すぐ大坂から地方へ後退することも為し難かった。
新門跡の教如は、強硬派の随一である。父の顕如が、
「――この上は」
と、大坂退去の意を発表すると、彼は彼でまた、
「われらは、一寸たりと、当石山御堂は退きませぬ。たとえ父君以下、門徒ことごとくこの地をお去りあろうとも」
と、号して、さらに防塁を築き、同心を語らい、廻文を飛ばしなどして、
「信長と最後の一戦せん」
と、激気いやが上にも、昂いものがあった。
けれど、大坂を退くべし、との通達は、もう一近衛前久の調停ではなく、すでに、朝廷からのお心遣いであった。勅命であった。
去ル程ニ、大坂退城仕ルベキノ旨、辱クモ禁中ヨリ御勅使降サレ、門跡、北之方、年寄共如何アルベキヤ否ヤノ儀、権門ヲ恐レズ、心中之存ジ寄ノ旨趣、残ラズ申シ出ヅベキノ由尋ネ被申――