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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 頁

青空文庫

「むすめも不愍、因幡の所領も惜しと思わば、よくよく御分別あるがよかろう。――御返答は明朝まで相待たん」

と、城外から云い送った。

案のじょう、山名豊国は、その晩、使者を出して、降伏を誓って来た。

けれど、彼の家臣のうちには、硬骨もある。

「余りといえば、薄志弱行な」

と、主人ながら、豊国にあいそをつかし、結束して、豊国を、他国へ放逐してしまった。

そして、急使を、毛利軍の吉川勢に報じ、

「急援をたのむ」

と、告げた。

吉川元春は、すぐその部下の勇将、牛尾元貞を向けたが、元貞が、矢痍をうけて、病臥してしまったため、ふたたび、

「市川雅楽允、参れ」

と、代りの将を派遣した。

けれどなお、誰か、毛利一族のものを上に戴くのでなければ、士気の程も心もとないという鳥取からの要請に、吉川経家が新手八百余人をひきつれて、城へ入った。

前からの城兵とあわせて、約二千人が一つになってたて籠ったわけである。けれど、それ以外にも、城下の家族や百姓などの非戦闘員も悉く、城郭内に避難したので、たちまち在庫米は食べつくしてしまった。

城の西を賀露川は、北流して日本海へそそいでいる。