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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 頁
古府・新城
古府・新城
韮崎の新府の城は、御台所や上たちの住む奥の館まで、すべて落成した。
「同じ正月を迎えるならば」
と、武田勝頼は、父祖数代の古府――甲府の躑躅ヶ崎からこの新府へ――年暮の二十四日というのに、引き移ってしまったのである。
その引越しの壮観と美麗さは、沿道の百姓たちに、この正月となっても、まだ語り草となっているほど、言語に絶したものだった。
勝頼とその簾中を始め、侍く数多の上※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)たちや、大伯母の君とか、御むすめ子とか、京の何御前とかいう女性の輿や塗駕だけでも、いったい何百つづいたろう。
一族の老武者、若武者、またお旗本やら、近習やら、それぞれのお役の者やら、金銀の馬鞍、青貝の鏤め、蒔絵の光、開いた傘、つぼんだ傘、弓とうつぼの群、鉄砲の筒の列、赤柄の槍の林……。そうして行列の果てなく続く中にも、もっとも人目を奪ったものは、武田重代の法性之旗で、
南無諏訪南宮法性上下大明神
の十三字が、真紅の布地に金色にかがやいているのと、もう一旒は、人も知る信玄が座右の軍旗としていた、紺地精好織の長旗に、こう二行の金字が記してあるものだった。