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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 頁
客来一味
蘭丸は多くをいわず、また眼の前のことに触れなかった。
「お席へおかえり下さいまし。信忠様。信澄様。また丹羽どのを始めとして諸将方、手もちぶさたに、お控えでいらっしゃいます」
信長は素直に、大勢のなかへ戻って来た。けれども坐らなかった。そのまま、座中を見まわして、
「ゆるせ、興醒めたことであろう。各※(二の字点、1-2-22)は、存分に。存分に」
云い捨ててさっさと、奥の房へかくれてしまった。
客来一味
土蔵長屋の廂に、燕が、群れ鳴いている。陽の暮るるも知らず、親燕は巣の中の雛に、餌を運びぬいているらしい。
「画題になりますかな」
ひろい中庭を隔てた住居の一室で、明智の老臣、斎藤利三が客にいう。
客は、海北友松という画人。この諏訪の人ではない。
五十前後か。画人ともみえない骨ぐみ。無口である。幾棟もある味噌屋蔵の白壁が、そこだけを辺りの夕闇から暮れ残している。
「いや、この戦時中、ふいにお訪ねして、世外人の悠長なはなしばかり……。おゆるし下さい。さだめし、御陣務も多かろうに」
友松は、暇を告げるつもりらしく、長座したしとねを退がりかけた。
「まあ、よかろう」
斎藤内蔵助利三は、おっとりしたものである。