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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 頁
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そしてゆうべは、遠方からもその火の手がボウと見えたが、大した展開も見せず、鉄砲の音も止んで、そのまま夜明けとなったものである。
きょう十三日も、空は依然荒れぎみで、折々、沛然と驟雨が来ては、また霽れたりしているが、ゆうべも山の方ではだいぶ降っていたらしい。そのために鉄砲隊の足軽は、敵味方とも火縄の火が消えて難儀しているということだった。
それも一因であろうが、またひとつには、富田にある秀吉が前進して来ないため、中川、高山、池田、すべての軍は、満を持したまま、ただ彼の一令を待っているというすがたでもあった。
「合戦は恐らくこれから今日中に開かれましょう。大勢の決するところも今十三日中になりましょう。いずれにせよ、今日こそ定まる日です。御休息のおいとまもなかったでしょうが、秀吉と共に御出馬なされませ」
程なく、彼は信孝を促して、富田の陣を払い、山崎へ向った。
出がけにも、また一雨来た。金瓢の馬じるしは鮮やかに濡れかがやき、諸将の陣羽織や太刀からも雫していた。
「おお。虹が、虹が」
途中、秀吉は指さした。
しかし人々が仰いだときはもう見えなかった程、天相の変化は迅かった。