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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 頁
僥倖といえば僥倖だが、秀吉の応急策も、確かによろしきを得ていたものといえる。驚くよりも哭くよりも前に、真ッ先に浅野弥兵衛を派して、この往来検察をさせたことが奏功したのである。
この山伏は、光秀の発した密使ではないが、さきの偽盲は、いうまでもなく明智の士雑賀弥八郎であった。光秀から毛利輝元へあてた一書を受け、二日の早朝、京都から立って来た者だ。
光秀の使者は、同日の早朝、二人立っている。もう一名の原平内は、大坂から海路備中へ入る経路を取っていた。
ところが、その原平内も武運つたなく、海上で風浪に遭い、そのため日数も費って、彼が毛利家へ着いたときは、中国の大機すでに決した後だったのである。
――こう観て来ると、
本能寺以後、光秀の画策は事ごとにうまく運んでいなかったことがわかる。またそれは人智人力を越えた微妙のものであることも頷ける。そしてかかる蹉跌や後の敗因は一体何から来ているかといえば、それは一に天意なりというしかない。人は人をあいてとして戦い、飽くまで人と人との戦場を描いているが、偉大なる宇宙の指揮も加わっているのである。陣上に天意をいただかず、人力を尽して神意に通ぜざる三軍であっては、いかに誇るも「人間の陣」