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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 頁
すでにわれらの惟任日向守様のなき今日となっては、われらの望みも同時に終った。――かさねていう。この最後の最後まで、異心なく、踏みとどまってくれた各※(二の字点、1-2-22)の善戦にたいして、左馬介は、故光秀様を始め、御内方、ほか一族になり代って、心からお礼を申す。かくてこの一城は、わが明智一党の最後の墳墓と相成ったが、各※(二の字点、1-2-22)にはもう武士として恥なき本分を尽し果されたことでもあれば、この上、求めて死をいそぐにあたらぬこと、それぞれの郷土に帰って、さらに、士魂をみがき、今日の訓えを生涯に活かし、よいさむらいとして終ってくれるように。……これは光春が命じる最後の命令である。かならず守ってもらいたい」
左馬介はそう告げ終ると、やがて庫中の金銀から何くれとない器物や身廻りの物など、すべてをそれらの人々に頒ち、
「はやく落ちてゆけ。搦手を出て山づたいに、四明ヶ嶽を越えればなお遁れる先はあろう。とかくして、われら一族どもの足手まといになってくれるな。はやく、はやく」
と急いて、ほとんど、そのあらましの者を、追うように、搦手の一門から落してしまった。