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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 頁
「……が、何事もなくて」
秀吉はうなずくのみで、後の二人が小走りになるほど大股な歩みであった。
そしてすでに、外へ出て、助作と佐吉が、供の家中や馬を呼びたてていると、
「羽柴どの羽柴どの」
あわただしく追いかけて来て、空に三日月の見える宵闇の広場に、彼の姿を求めている者があった。
「ここじゃよ。ここじゃよ」
秀吉はもう馬上にあった。
そこで鞍つぼを叩いている音を知って、滝川一益は駈け寄って行った。
「何か」
秀吉は一瞥くれていう。
その容子は、主君が臣下を見るのと、同じであった。
一益は、寄り添って、
「察し入る、察し入る。さだめし今夜は、お腹が立ったであろう。……が、酒のうえのこと。それに、北ノ庄の甥は、あのとおりまだお若い。ゆるしておやり下さるように」
頻りになだめる。
そして、次に告げた。
「既定の事。おわすれあるまいが、明四日の昼、三法師君のお世継御披露の祝事には、ぜひ御参列を欠かされることなきようにと、柴田どのが特に、あなたの立った後ですぐ案じるごとく申されておられた」
「そうか。……うム」
「必ずおわたりあるように」
「わかった」
「くれぐれも、こよいのことは、水にながされよ。