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にほんイデオロギーろん

日本イデオロギー論

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《日本イデオロギー論(にほんイデオロギーろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 頁

青空文庫

サラリーマンという眼に余る程大衆的な中間層があるではないか。之が「現代」のインテリゲンチャでなくて何か、というのである。サラリーマンというこの社会現象論的範疇が、社会層の問題として現実上どう限定されているものかは一向判らないのだが(常識では中以下の銀行会社員や精々小官吏などを意味しているようだが「社会科学」的にはどういうものか聞きたいと思っている)、多分、「知識的労働」に従事している人間とでもいう風に、言葉の上では、説明出来るのだろう。だが知識的労働者といった処で、実際的には依然として何のことか判らぬ。銀行の窓口で現金を取り扱っている月給取りが知識的労働者ならば、エンジンの故障を直し直し運転しなければならないバスの運転手(之だって大衆的に存在するのだ)も亦知識的労働者ではないか。サラリーマンを更に月給取りと訳しているようだが、運転手は日給だからサラリーマン即ち知識労働者でないというわけか。これでは年俸をもらう官吏はサラリーマンではないということになるだろう(小官吏だって大衆的に存在するのだ)。

知識労働者とかサラリーマンとかいうこの常識的な言葉がすでに分析的に云うと社会層としては可なりのナンセンスになるのだが、更にこうしたものが現代のインテリゲンチャの代表者だというのは、一体何を根拠にして云えることか。