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にほんイデオロギーろん

日本イデオロギー論

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《日本イデオロギー論(にほんイデオロギーろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 頁

青空文庫

こうした共通感官が、後に常識と訳されるものの語源なのである。だが之は無論単なる語源の問題には止まらないのだ。

この共通感官は、無論五官(外官)ではあり得ない。アリストテレスによれば之は多分脳髄のどこかに位置する器官だと想像される。だが吾々はそのような感官の位置に就いては問題を感覚生理学か解剖学に一任することにしよう。哲学的テルミノロギーとしては、感官は一種の心的性能の意味にまで抽象されるのを常とする。そうした生理解剖学的定位から抽象されたものとしてこの共通感官を見るならば、今云った定位問題とは一応無関係に、之を外官に対する内官と考えることが出来るようになる。無論外官とか内官とかいう哲学上の常識観念は、相当限定の困難なものだが、少くとも外官が常識的に云っても肉体上明らかな定位を持っているのに較べれば、内官の方は、決してそんなに容易に肉体的器具と一致させることの出来ないように見える理由があるだろう。内官という観念がだから既に、哲学的な抽象概念を意図したものと云わねばならぬ。と云うのは内官に就いては、もはや感覚器官を意味する官という規定が相応しくなくなるからである。