輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁
前にも云う通り、江戸時代には絵馬が流行った。したがって、古い絵馬や珍らしい絵馬をあつめることを一種の趣味とする人々も少なくなかった。時には同好者が会合して、めいめいの所蔵品を見せ合うこともあった。そうなると、そのあいだに競争を生ずるのも自然の道理で、なにか珍奇の品を持ち出して他人を驚かせようと企てるようにもなる。結局は普通の絵馬屋で売っているような絵馬のたぐいでは満足できない事になって、近郷近在の神社などを巡拝しながら珍らしい絵馬をあさって歩くようにもなる。元来この絵馬はそれぞれの願主が奉納したものだから、他人がみだりに持ち去ることを許されないのであるが、なんとか頼んで内証で貰って来るものもある。貰って来るのはまだしもであるが、甚しきは無断で引っぱずして来るのもある。いわゆる蒐集狂で、それがために理非の分別を失うようにもなるのであった。
丸多の主人多左衛門もやはり其の一人で、今では普通の趣味や道楽を通り越して、絵馬蒐集に熱狂する人間となってしまった。彼は山の手の同好者をあつめて「絵馬の会」というのを組織し、自分がその胆煎となって毎年の春秋二季に大会を催すことにした。