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とうきょうじんのだらくじだい
東京人の堕落時代
杉山 萠円
線上閱讀杉山 萠円《東京人の堕落時代(とうきょうじんのだらくじだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,226 字 · 247 頁
吹きまくる不良風
震災後の、万事に慌ただしい、猫の眼のようにうつりかわる気分に慣れた父兄は、わけもなく胡麻化された。日が暮れて帰って来ても、「今日は課業が夜になっちゃって」と済ますことが出来た。
こうしたエス(学校を勝手に休む事)の自由が、どれだけ学生の堕落性を誘発したか知れぬ。
吹きまくる不良風
震災前、東京には各種の学校が、著しい増加の傾向を示した。
私塾程度のものから、半官立と云っていいもの、又は純然たる官立のものまで、あらゆる階級と種類がミッシリと揃った。そのために官立は真面目なもの、私立はズボラなものという、昔の区別が曖昧になって来た。
同時に、私立に通う男女生徒の服装に、官立と見分けのつかないのが殖えて来た。殊に私学の権威が高まったこと等は、一層、この官立の真面目さと、私立の不真面目さを歩み寄らせた。
男の生徒では、私立の職業学校生徒も、官立の生徒も、睨みの利き方が同等になって来た。女学生では、私塾の生徒も、大きな学校の生徒も、幅の利け方が似寄って来た。
官立も、私立も鳥打帽が大流行で、職業婦人の卵も、賢母良妻の雛っ子も、踵の高い靴を穿いた。
取締のゆるい学校生徒が、厳重な学校生徒を恐れなくなって来た。