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とうきょうじんのだらくじだい

東京人の堕落時代

杉山 萠円

線上閱讀杉山 萠円《東京人の堕落時代(とうきょうじんのだらくじだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,226 字 · 247 頁

青空文庫

色魔学のイロハ

記者もその中の一人であったが、今でも本物の不良かどうかわからずにいる。

大正十三年十月二日午後二時頃、浅草公園雷門前での出来事――。

色魔学のイロハ

女給をからかうのは、色魔学のイロハのイである。

眼ざすカフェーに毎日行って、十銭ずつ珈琲を飲む。それ以外に何も取らずに、必ず五銭宛余計に置いて来る。こうして三円使ううちには、きっと女給を二人以上引っかけて見せると、或る不良が云ったそうである。不良学も容易でない。

この頃は、女学生だの、職業婦人だの、又は上流の淑女、令夫人たちが、ドシドシカフェー程度の飲食店に這入る。デモクラ精神の普及であろう。御蔭で不良は満作である。

気の利いたカフェーやその他の飲食店には、よく別室の設備がある。これは温泉の家族風呂、料理屋のチョンの間と同様、いろんな男女が人を馬鹿にする処である。外からは何も見えないが、○○と同じ程度に挑発する。

「不良」はよく一人でここに入って女給を呼ぶ。人待ち顔に話しかけて口説き落す。その代り失敗すると、コックや何かに半殺しの眼に合わされるが、その危険があるのでなお面白いと云う。

大きな有名なカフェーには御定連の名士? が居る。