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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
線上閱讀蘭 郁二郎《火星の魔術師(かせいのまじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,120 字 · 302 頁
木美子、一人でとても心配してたんですけど、そして、なんとかして癒してあげたいと無理いうの我慢してたんですけど……、それにあんなところを研究室だなんていって電気を引込んだりして又危いことしやしないか、今度そんなことしたら、今まで木美子が叔父様の代りに働いて、どうにか居られたこのビルからも断られやしないか……なんて、とても心配だったの。そうかといってお世話になった叔父様が、頭が変になったからって私一人が勝手なことをするのも嫌だったし……、でも、でもお陰様で病院に入れて頂いて、ほんとに安心しましたわ。頭の具合の悪くなった叔父様に、電気をいじらせて置いたのは、却て不可ないことでしたわね、なぜもっと早く病院のこと考えつかなかったかしら……」
彼女は、やっと安心したように、美しい微笑をもらした、私も、思わず微笑みかえして、
「あの画はどうしました……」
「あれはつい二三ヶ月前に夜店で買ったものなのよ。それが、頭が狂ってから、急に自分で日附など入れたりして珍重がっていられたの……、でも河井さん、あんな六ヶ敷しいこと言われたけど、ミケランジェロならあの日附より二十年も前の、一五六四年に死んでいたのじゃなくて……」