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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
線上閱讀蘭 郁二郎《火星の魔術師(かせいのまじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,120 字 · 302 頁
それから、村尾さんたちのサイクロトロンは、まだ準備に時間がかかるようですので、それまで私の方を考えて頂こうと思っております。
昨日の川蒸気で、ポンチャナクから日本のお味噌を持って来てくれました、それで今朝は、とてもおいしい味噌汁が出たことをお知らせいたします。五月十二日附―。
五
村尾健治から木曾礼二郎あての私信。
――東京は、この手紙が着く頃はそろそろ梅雨にはいることと思います。東京のあのじめじめと降りつづく雨から、僕たちは開放されたわけです。青空、そして豪快な雨――。僕は内地が世界第一の風光明媚といわれていたことに少々疑問を持って来ました、いや、風光は明媚かも知れませんが、しかし第一の健康地であるかどうか、これは疑問ではありませんか、緯度からいったら樺太の北に当るベルリンやロンドンでは樺太で想像する生活ではありません、とにかく地球の自転の方向からいって、亜欧大陸、米洲大陸など大陸の西側が健康地である筈です、内地やニューヨークなど大陸の東側に在るものは、それよりも劣るとも優ってはいないでしょう、といって何も絶対的ではありませんけど……、とにかく僕は内地を出れば悉くが瘴癘の地であるという考えをもっていたら間違いだ、といいたいのです、第一僕たちがボルネオに出発するといった時に、体に気をつけなけれ