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げんだいてつがくこうわ

現代哲学講話

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代哲学講話(げんだいてつがくこうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,337 字 · 522 頁

青空文庫

で今、この批評乃至鑑賞に於て例の肯定的面と否定的面との対立を指摘すれば、批評乃至鑑賞が価値の対立の間に判決を与える一つの機能だということが積極的に強調されるわけである。かくて批評は、評価の資格にまで上昇させられる。

実際、単に批評とだけいうならば、ジャーナリズムの末梢的な一機能が示すように、単に評判することに止まるかも知れない。評判とは一面に於て批評でありながらやがて、単に報道価値をしか意味しない処の、有名さのことである(之は云わば春秋の筆法から下世話の筆致への推移に当る処の、新聞物やジャーナリズムの分析の上で非常に興味のある言葉である。なお所謂「世話物」は、新聞の欠乏を補うため、市井の雑事の報道を兼ねていたとも考えられる)。無論そう云った批評は主に主観的な感情の本能的な吐露――悪口や又稀には嘆美――に過ぎないから、何の客観性も持てない。処が評価となればすでに客観的な価値標尺を基準にしなければならなくなる。だからその限り、評価はいつも客観的な価値評価、その意味に於ける科学的批評でなければ充分でない。

真の批評は単なる批評ではなくて、――客観的価値標尺による――科学的批評である。