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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《美少女一番乗り(びしょうじょいちばんのり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 73,583 字 · 149 頁
「はっ、先生の宜しきように」
妙なことになって来たぞとは思ったが、なにしろ相手は下郎、しかも日ごろから自分たちが「半化け」と綽名している馬鹿の又平だ、横面の一本も食らわせれば泡を吹いて参るだろうと、たかを括って承知した。
「忝うござります。ではすぐ又平を呼んで参りますゆえしばらく……」
と椙江は急ぎ足に去って行ったが、――待つほどもなく又平を引摺るようにして出て来た。又平は道場の真ん中へ引出されると、がたがたふるえながら、
「ど、どういうわけでございますか、何か悪いことでも致したなら、御勘弁下さい、どうかひらに御勘弁を」
「いや何も謝ることはない」
伊丹兵右衛門が冷笑して言った。
「お嬢さまのお望みで、その方と拙者共と試合をするのだ、さあ立て」
「と、とんでもない、そんな」
「ええ面倒だ。誰か道具を着けてやれ」
兵右衛門の言葉に、二人ばかり立って来て無理矢理道具を着けさせてしまった。
「どうかお助け下さい、だ、駄目だ」
と悲鳴をあげるのへ、兵右衛門が竹刀を構えながら大喝一声、
「そら行くぞ、えィーッ」
だ! と踏込んだ。刹那!
「助けてえッ」
悲鳴と共に右へ跳ぶ又平、つけ入った兵右衛門、一撃のもとにのしてしまおうと、胴を望んで猛然と打込んだ。