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びしょうじょいちばんのり

美少女一番乗り

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《美少女一番乗り(びしょうじょいちばんのり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 73,583 字 · 149 頁

青空文庫

残るところ二人、軍十郎と兵右衛門。

「やい、伊丹に沼田、さっきはお世辞で負けたが、今度はお世辞ぬきだぞ。古中条流はこう使うのだ見ておけ、――えィッ」

叫ぶなり又平は体を沈めて軍十郎の横胴へ一刀、と見る刹那、木剣は光のごとく翻転して面上へ尾を曳いた。

「あっ!」

避けも躱しも出来ぬ早業、軍十郎はまるで名剣で斬られたごとく、真っ向を割下げられて後ろざまにすっ飛ぶ。同時に兵右衛門が、

「下郎※(感嘆符二つ、1-8-75)」

と叫んで踏込んだが、

「心得たッ」

又平が右足を縮めて体を捻る。やっ! という掛声、木剣が閃いたと見る一瞬、兵右衛門、断鉄の一撃を脾腹に食らって、うんとも言わず横ざまにどうと倒れた。

「あっぱれ、見事じゃ、見事じゃ」

主水は思わず手を挙げて褒めた。又平はにっこり笑って木刀をおくと、近寄って来る主水の前へ平伏して、

「先生にはお怪我もなく祝着に存じます。早速この趣を届け出でまして」

「いや待たれい」

主水は静かに制して、「昼、道場においてわざと負けた手の内といい、またただ今の太刀筋、殊に沼田、伊丹を仕止めたは、正しく古中条流の秘伝、火竜、小波、飛電の組太刀と見た。