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びしょうじょいちばんのり

美少女一番乗り

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《美少女一番乗り(びしょうじょいちばんのり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 73,583 字 · 149 頁

青空文庫

二

「瀬越様がお見えでございます」

と告げると、

「おお待兼ねた、これへ」

とみんな向直った。――そして瀬越六兵衛が入って来ると、庭につく間ももどかし気に、

「首尾はどうあった」

「例の物は?」

と膝を乗出して訊いた。

「――御心配無用」

六兵衛は微笑しながら、

「溜池の畔に待伏せて首尾よく仕止め、この通り取戻して参った」

そういって懐から書状を取出した。

「いやそれはお手柄であった」

「さすがは瀬越殿だ」

「しかし、――一応たしかめて……」

頼母が書状を手に取った。――密封の御遺言書、裏の連署血判もまさに相違ない、列座の者も順に検分したうえ、

「たしかに間違いない」

「これで万事は我々の勝利だ」

「では、――直ぐ焼捨てるがよかろう」

頼母の言葉にしたがって、相良外記が行燈の口を明け、御遺言書へ火をつけた。――金森家家督相続の秘密を認めた書状は、めらめらと燃えあがって、庭へ投げられたままついに一片の灰と化してしまった。

「これでよし、――では改めて遺言書を板倉家へ届けると致そう」

外記はそういって、別に作っておいた偽の御遺言書を取出しながら立った。

二

「お姫さま、またおふさぎ遊ばしますか」