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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《美少女一番乗り(びしょうじょいちばんのり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 73,583 字 · 149 頁
「くそッ、破れかぶれだ」
喚くと一緒にだっと掴みかかる、清吉は身軽にひっ外すと、逆手を取ってぐいぐい絞め上げ、力任せに砂利の上へ叩きつける。――とたんに走せ寄った下役人が、たちまち高手小手に縛りあげてしまった。
始終を見ていた越前守は、
「一同静まれ」と騒ぎたつ人々を制して、
「清吉とやら、神妙な致し方である。改めて事の仔細を申し立てるがいい」
「有難う存じます。お通さまもよくお聞き下さいまし」
清吉は膝を正して言った、「隠れんぼうをしたあの日、わたしが中の間の鎧の中に隠れますとすぐ、藤兵衛と津田直記の二人がやって来ました。出るに出られず、そのまま話を聞いていますと、大切な品を隠してどうするとか、迂闊にすると仕損ずるとか、しきりに密談をする様子がたしかに悪企みと存じまして、これは一大事と色々考えたあげく、わざと唖聾になって彼らに油断させ、計略の裏を掻いたのでございました。果して彼らは冑を取隠し、旦那様を島津家へ押籠めたうえ、財産の横領に取掛かりましたが、危ないところでお奉行さまのお縄にかかり、どうやら無事に」
「待て待て清吉」
越前守が静かに遮って言った。