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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
線上閱讀薄田 泣菫《艸木虫魚(そうもくちゅうぎょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,254 字 · 226 頁
なかに一番長いのは、尖った尻のさきが土にとどきそうになっていたので、まさかの時の用意に、家のものが摺鉢形に地べたを掘窪めていたことがあった。
ある日、たずねて来た若い英文学者のI氏は、それをみるとにやにや笑い出した。
「ほう。糸瓜の下が円く掘下げられていますね。あれを見ると、僕うちの親父が上野の動物園にいた時分のことを思い出しますよ。」
「おとうさんは、動物園にもいられたんですか。」
I氏の父は名高い老博士で、日本で誰よりも先にダアウィニズムを紹介した動物学者であった。私も二、三度会ったことがあって、学者らしい学者として尊敬の念を抱いていた。
「それはずっと以前のことで、こんなことがありました。――」
といって、I氏は次のようなことを話し出した。
I博士が動物園をあずかっていた頃、世間に何か目出度いことがあって、その記念として、動物園では夫婦者の麒麟を購うことに決めた。人も知っているように、麒麟は多くの動物のうちでも、とりわけ首と脚とが長く、有合せの檻で辛抱させる訳にもゆかないので、どうしても新しいものを新調する必要があった。その設計書と経費の明細書とが、博士の上役にあたる博物館長あてに差出された。