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ひだのかいだん

飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選(ひだのかいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,271 字 · 263 頁

青空文庫

「いえ、些とも知りませんね。一体、彼女は何です。」と、市郎は父の顔を覗いた。

「今朝お前に話した通り、祖父さんが五十年ほど昔に、山に攫われた小児を助けたことが有る。」

「けれども、それは男の児でしょう。」

「まあ、黙って聞くが可い。それには又種々の可怪な話が絡んでいるのだ。」

山※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)と怪しの老女、この関連は愈よ市郎の好奇心を湧かした。お政も冬子も珍しそうに耳を欹てた。

茶を一杯、それから安行はこんなことを語り出した。

市郎の祖父、即ち安行の父は山※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)の復讐の為に無残の死を遂げた。併し其手に救われた赤児は、角川家の情に因って無事に生長した。固より何者の子とも判らぬので、仮に重蔵と名を付けて、児飼の雇人のようにして養って置いた。角川の家は代々の郷士で、傍らに材木伐出しの業を営んでいたので、家の雇人等も木挽の職人と一所に山奥へ入ることが屡々ある。重蔵も十二三歳の時から山へ入った。

何でも彼が十五六歳の秋であった。小児の癖に気の暴い重蔵は、木挽の職人と何か喧嘩をした結果、同じく気の早い職人は「どうでも勝手にしろ。