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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《あさひの鎧(あさひのよろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 頁

青空文庫

ご一行は一旦元来た道へ帰り、小山の蔭に休息しながら、行動について熟議した。

片岡八郎が進み出て云った。

「承わりますれば玉置の荘司は、芋ヶ瀬の荘司よりもひときわすぐれた、武家に加担の荒くれ武士とか、さすれば昨日宮家じきじきに、芋ヶ瀬の荘司がもとへお入りあらせましたように、玉置がもとへお入りありましては、危険至極かと存ぜられまする。……つきましてはわたくし一人して参り、宮家ご一行をお通しあるや否や、荘司に逢ってあらかじめ尋ね……」

「それよろしい」

と云ったのは、思慮深い四条隆貞であった。

「が、八郎殿一人では、ちと心もとのう存ずるよ」

「ではわたくしもご同行」

と、矢田彦七が進み出て云った。

「同行するでござりましょう」

「…………」

でも宮家には無言でおられた。

(心計られぬ玉置荘司のもとへ、二人ばかりをやるということ、どうであろう? どうであろう?)

それでご躊躇あそばされたのであった。

(もしものことがあろうものなら、今日まで艱難を共にして来た、あたら可愛い忠節の家来を……)

このことを不安に覚されたからであった。

宮家は八郎と彦七との顔を、代わる代わるご覧あそばされたが、